人は歳を重ねるにつれて丸くなっていくもの、と言われる。
確かにそのとおりで、50歳を目前に控えた今日、私も以前ほど血気盛んじゃなくなったという自覚がある。
なによりも、若い頃の星野仙一さん(現:楽天ゴールデンイーグルス監督)のような感じで喜怒哀楽を表に出すことはほとんどなくなった。
むしろ、野村克也さん(現:野球評論家)よろしく、ボヤキとかブツブツとか内に籠ることが多い。
その理由を私なりに分析すると、気力や体力の圧倒的な低下である。
情熱をもって他人に対して主張したり、説得したり、または、それらがうまくいかずに揉めたりするというのは、とても疲れるとともに体力のいることだ。
しかしながら、その元気が日増しにどんどんとなくなっているのだ。
だから、大声を出さず、トラブルになりそうなことについては、寡黙を装い、進んで回避を心がける。
自らを律することで、無駄な体力の消費を極力防ぐようにしている。
その様を「丸くなった」と言うならそのとおりだ。
しかしながら、それは外から見える狡猾な私の一部だけでの話だ。
実際の中身は、「三つ子の魂、百までも」とばかりに成長していない自分がいることも事実なのである。