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ネット販売が消費を変える?

「昔の消費者は買わないで節約したものだが、今は買って節約するようになった」とある経営者が力説していた。現在の消費行動は、「買物というよりは仕入れに近くなっている」のだという。コストコやジョイフル本田のような大型店舗で大容量をまとめ買いしてユニットプライスを落とし、冷凍庫に保存あるいは物置に在庫――。それで節約する。

 

 そして、「買物が仕入れに近い」という説が正しいとするなら、ネット販売は、ここでも本領を発揮するに違いない。重くてかさばる水モノや紙モノを送料が無料になる金額まで購入して、スペースが許される限り、家庭内に在庫を持てばいいからだ。

 

 ネット販売は、節約に貢献するだけでなく、本来の意味であるビジネスベースの仕入れも可能にするだろう。

 

  たとえば、ユニクロ(山口県/柳井正社長)のネットショップで錦織圭モデルのテニスウエアを85着、アダム・スコットモデルのゴルフウエア100着という具合にオリジナル商品を大量購入する。これに、いくばくかの利益を乗せ、ユニクロが進出していない第3国で販売すれば、商売として成り立つかもしれない。

 

 そう考えると、ネット販売の普及は、さらに思いもよらない方向に消費行動を変えていくのかもしれない。

 

『チェーンストアエイジ』誌2013年10月1日号