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ご無沙汰しておりました。BLOGを再開します

 おはようございます。『チェーンストアエイジ』誌編集長の千田です。

 BLOGの夏休みを終え、戻ってまいりました。本日より、再開いたします。よろしくお願いします。

 

 プロボクシングの世界では、チャンピオンのインフレ状態が続いている。

 日本出身の世界チャンピオンの数は、今日現在で9人いる。

 これまで日本ボクシングコミッション(東京都/林有厚コミッショナー)が認めてきた世界王座認定団体は世界ボクシング協会(WBA)と世界ボクシング評議会(WBC)の2つだったが、この4月に世界ボクシング機構(WBO)と国際ボクシング連盟(IBF)の2団体に加盟したことから、目指すべきチャンピオンベルトの数が一気に2倍に増えた結果だ。

 

 ただしチャンピオンのインフレ状態の原因は、必ずしもそれだけではない。

 たとえば、階級数が著しく増加しているのは誰もが知るところだろう。

 世界最古のボクシング機構としてWBAが発足した当初(1921年)には、フライ級、バンタム級、フェザー級、ライト級、ウェルター級、ミドル級、ライトヘビー級、ヘビー級と8つの階級しかなかった。つまり、世界チャンピオンは8人しかいなかったわけだ。

 

 ところが、現在は各団体には17階級が存在しており、単純に計算すれば、17(人)×4(団体)=68(人)の世界チャンピオンが存在することになる。

 

 これでは、王座に権威を見いだすことは難しい。

 ファンが観たく知りたいのは、誰が本当に世界一強いのか、だからだ。

 

 そして、68人も世界チャンピオンがいるのであれば、今後は、稼げるチャンピオンとそうではないチャンピオンが出てくるはずだ。

 

 マニー・パッキャオのような6階級制覇、「柔よく剛を制す」といった価値はもちろん。常にノックダウンを奪える実力があるか、ホームデシジョンの効かないアウエーのリングで勝ち続けるというのもあるはずだ。

 たぶん、68のタイトルをボクサー1人でいくつ獲得できるかがこれからの注目のポイントになっていくのだろう。

 

 もちろん、兄弟3人が同時に世界王座に就くことやマスクのよしあしなどもマーケティング的には付加価値ではあろう。

 しかしながら、ファンが本当に観たいのは誰が“世界最強”なのか、どんな強い勝ち方か、ということが第一だ。

 

 今、何よりも求められているのは、団体の乱立の向こう側にあるボクシングの試合だ。