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有意注意

「有意注意」(自分の意識を意図的に凝縮させること)とは、人生哲学の大家である中村天風さんの言葉。京セラ(京都府/山口悟郎社長)の創業者稲盛和夫さんは、主宰する盛和塾で好んで教えているのだそうだ。

 

「有意注意」とは、たとえば、遊ぶにしても、ただ漫然と身を任せるのではなく、何かを学ぼうとしながら取り組むことを言う。

 

 ある経営者は、いかに「有意注意」を実践したかについて次のように話してくれた。

 

「カラオケボックスに行ったら、12部屋あった。11時から26時までの開店時間でいつ行っても満杯。1部屋単価が3000円で稼働率を80%とすると1時間3万円の売上。15時間営業だから1日の売上は43万円プラス飲食費。少なく見積もっても40万円の売上がある。ということは、1ヶ月の売上は1200万円。不動産家賃は100万円以下、バイトは2~3人で120万円以下、その他レーザーディスクのレンタルフィーが1部屋1万5000円として多く見積もってもトータルコストは400万円。そうすると月間800万円の利益が出る」。

 

「しめしめ、儲かるぞ!」。

 経営者は、そんな算用を頭で描き、カラオケボックスビジネスを始めることを決め、成功を収めた。

 

「『有意注意』で社会を眺め、考えていると、多くの情報が入ってくる。逆にそれを拒絶していると何のヒントも浮かび上がらない」。

 どんな些細なことにも、ビジネスのヒントは埋まっているかもしれない、ということであろう。