沖縄県の元気がいい。
「平成22年国勢調査」(総務省)によれば、平均年齢は40.7才と全国平均の45.0才と比べて4.3才も若い。人口構成を見ると「0~14才」は17.8%(対全国平均4.6ポイント〈pt〉増)、「15~64才」は64.8%(同1.0pt減)、「65才以上」は17.4%(同5.6pt減)となっている。
「人口動態調査」(厚生労働省)によれば、2011年の合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子供数の平均)は1.86で全国平均よりも約0.5人も多い。
人口は141万2000人(2013年1月現在:「沖縄県推計人口」〈沖縄県企画部統計課〉)と対前年同月比では0.6%も増加している。
少子高齢化、人口減少に苦しむ日本の中では稀有のエリアと言える。
元気の源泉は観光産業だ。
2011年度の「入域観光客数」(沖縄県観光企画課)は国内客522万人、外国客30万人の合計552万人。外国客の国別構成比は、台湾38.4%、香港18.1%、中国14.8%、韓国8.6%、アメリカ2.2%、その他17.9%となっている。
尖閣列島問題に揺れた2012年度(3月~2月)も観光客数は順調で、2012年9月のみが対前年同月比で減少しているが、それ以外の月は、すべてプラスで推移した。
こうした元気の良さを受け、沖縄県の流通業界も力強さを見せている。
2013年2月期の営業収益1489億3000万円を計上したリーディングカンパニー、サンエーの上地哲誠社長は、「お客様の消費マインドは悪くない」と言い、その理由として、①客単価が上がっていること、②ワンランク上の商材の販売が好調なこと、を挙げている。
ただ、“たまにきず”な点も、2つある。
ひとつは、競争激化である。
本土からドン・キホーテ(東京都/安田隆夫社長)やニトリ(北海道/似鳥昭雄社長)などの有力企業が続々と上陸。また、ドラッグストアやコンビニエンスストア、ホームセンターなど業態間を超えた、ボーダーレスコンペティションが勃発している。
もうひとつは、台風だ。前出サンエーは、2013年2月期中に台風襲来を受け、全店舗2日間休業、営業時間短縮4日間を強いられた。「1日休業すれば、それだけで3~4億円の売上がなくなってしまう」(上地社長)。
しかしながら、若いパワーが充満し、失業率も低下、仕事そのものが増えている沖縄県は、羨ましいほどの成長性を内包している事実は変わらない。
最後に沖縄県内小売業売上ランキングトップ10(2011年度:東京商工リサーチ沖縄支店調べ)を掲載しておきたい。
第1位 サンエー(スーパー) 1423億4500万円
第2位 金秀商事(スーパー) 661億4200万円
第3位 イオン琉球(スーパー) 631億7600万円
第4位 沖縄ファミリーマート(コンビニ:リウボウストア系) 432億6000万円
第5位 野嵩商会(スーパー) 256億9300万円
第6位 ローソン沖縄(コンビニ:サンエー系) 253億6600万円
第7位 生活協同組合コープおきなわ 215億3500万円
第8位 リウボウストア(スーパー) 160億1300万円
第9位 沖縄ヤマダ電機(家電) 150億円
第10位 メイクマン(ホームセンター) 147億700万円