私たちのいる出版業界には「原稿より健康」という言葉がある。ダイヤモンド・フリードマン社に入社した時に、学校のゼミの同級生に初めて教えてもらい、以後、常に頭のどこかにある。
「原稿を執筆したり、編集したりすることを生業としているので、それらの業務は非常に大切だ。しかしながら、原稿に一心不乱になるあまり、身体を壊してしまっては元も子もない」という意味になる。
数晩にわたって徹夜に近いような状態が続いたりするたびに、「休まなければ」と思い出すのである。
実は、最近、似たような言葉を聞いた。
「生命(いのち)より健康」というものだ。
「どんなに長寿だとしても、健康でなければ人生として面白くない」という意味になるらしい。
もっともなことだと思いながらも、ついつい深酒や大食いを繰り返してしまう私。「原稿より健康」と同じように、常に頭のどこかに入れなければと反省することしきりである。