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取引先も家庭に戻れば一消費者

 小売業のPB(プライベートブランド)開発は日進月歩だ。

 原価割れも当たり前のような低価格競争を繰り返す中で、売買差益のみを拠り所にした商売に限界を覚えた小売業各社は、「低価格、高粗利、差別化」が可能なPB開発に舵を大きく切り、製造小売業化を図っている。

 価値ある素晴らしい商品が市場に登場してきていることは、周知のとおりである。

 工場を持たない多くの小売企業は、国内や海外の製造業と提携してPBづくりに協力してもらっていることが一般的だ。

 その中で、いくつかの小売企業の評判ははなはだ悪い。

 提携先の製造業者に対して、厳しい条件を無理矢理押し付け、言う事を聞かないと取引をやめてしまう。PBであるにもかかわらず、売れない商品の返品は日常茶飯事なのだという。

 こうした小売企業と製造業との相克は、いまに始まったことではないし、これからも続いていくのだろう。

 ただ忘れてはいけないのは、取引先も、家庭に戻れば、また消費者ということ。あまりにもタフな条件のゴリ押しは、長期的にみれば、小売企業にとって決してプラスにならないと自戒したい。