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アスクル、アマゾンに待った!

 今週の『週刊東洋経済』誌(東洋経済新報社刊)の特集は「新・流通モンスター アマゾン」としてジェフ・ベゾスCEO(最高経営責任者)が率いるアマゾン・ドット・コムの大特集を組んでいる。

 アマゾン・ドット・コムについては、私も10月31日のBLOGで同社の快進撃について触れたので、まだお読みでない方はぜひご一読願いたい。

http://diamond-rm.net/articles/-/7108

 そして、日本の小売業界は、アマゾン・ドット・コムの独走に待ったをかけるべく、すでに多くの企業が動き出している。

 

「米国のアマゾンだけを走らすわけにはいきません」と意欲を燃やすのは、アスクル(東京都)の岩田彰一郎社長だ。

 

 同社は今年4月ヤフー(東京都/宮坂学社長)と業務資本提携を締結。この11月20日から一般消費者向け(BtoC)のインターネット通販サービス「LOHACO」(ロハコ)のPCサイトをオープンさせた。

 

「LOHACO」は、日用品、文具、マスク、おむつ、飲料などのコモディティ商品16万点を掲載。“かるいくらし”をテーマに、“重く、かさばる”身の回り品をスマートフォンやスマートデバイス、PCから発注することができるECサイトだ。物流はヤマト運輸(東京都/山内雅喜社長)と提携し、1900円以上の購入で配送料が無料となる。

  2013年5月期は、この事業だけで売上高180億円を計画しており、現在、岩田社長は「LOHACO」のPDCA(plan-do-check-act)を繰り返す毎日だ。

 

「オフィス通販」という業態を興し、この分野でナンバーワンの座を独走するアスクルは、「事務用品」→「オフィス用品」→「医療用品」「作業用品」「理化学用品」などの間接材(Maintenance, Repair and Operation)という形で取扱商品のラインロビングを進めてきた。周知の通り、企業向け(BtoB)のインターネット通販サービスでは、確固たる地位を築いている。2012年5月期の連結売上高は2129億円を計上する。

 そのビジネスを支えているのは物流だ。子会社のビゼックス(東京都/長谷川誠社長)を軸にした配達体制が同社の強力なインフラであり、BtoC事業についても、BtoB事業同様、この物流網をベースに組み立てている。

 

「オフィス通販」の殻を破りBtoC事業への参入を果たした岩田社長が視野に入れているのは、商業統計が発表する国内134兆7000億円の「小売業売上高」だ。
「織物・衣服・身の回り品」「飲食料品」「自動車・自転車」「家具・じゅう器・機械器具」「医薬品・化粧品」「農耕用品」「燃料」「書籍・文房具」「スポーツ用品・がん具・娯楽用品・楽器」「写真機・写真材料」「時計・眼鏡・光学機械」「その他」とすべてのカテゴリーがそのターゲットになる。

 話を伺い、さらに驚いたのは、岩田社長は、約135兆円の国内小売市場だけを視野に入れているのではないことだ。

 

 現在の事業の延長線上には海外市場があり、実際に愛速客楽(上海)貿易有限公司を中国で設立するとともに、アジア各国への展開を模索している。今後は、アジアの小売市場を視野に入れたビジネス展開をしていくのだという。

 

「何年後くらいまで先読みをしてビジネスプランを組んでいるのか?」と尋ねたところ「20年です」ときっぱり言いきる岩田社長。アスクルの反抗と快進撃を予感させる。

 

※なお、『チェーンストアエイジ』誌2013年1月15日号では、岩田彰一郎社長のインタビューを掲載します。お楽しみに。