アマチュアのテニスの世界では、「うまい」プレイヤーと「強い」プレイヤーは異なる。
だから、いざ試合、となった時に、勝敗を事前予想するのは難しい。
誰が見ても明らかに「うまい」と思われるプレイヤーが、下手なプレイヤーに、いとも簡単に負けることなど日常茶飯事だからだ。
アマチュアのテニスの勝負は、やってみなければ分からない、ということになる。
ところがプロの世界になると、これが相当違ってくる。大番狂わせというのは、それほど多くはなく、下馬評通りで決着することがほとんどと言っていいだろう。
過日、そんなことを知人に話すと、「それがアマチュアスポーツなんだ」という明快な答えが返ってきた。
「僕がやっているスキーも同じだよ。綺麗に滑るスキーヤーがタイムレースで勝つとは限らないもの。むしろ、勝ちたい、と願う思いの強さで勝負が決することが多い。だからアマチュアスポーツは面白いんだ」。
知人は60歳――。
社会人になってから始めたスキーで、元インカレ入賞者などの強者を向こうに回して毎年好成績を残している。