サミット(東京都/田尻一社長)の2012年3月期決算(単体)は、営業収益2312億6300万円(対前期比0.1%減)、営業利益34億300万円(同31.4%減)、経常利益31億1200万円(同33.9%減)、当期純利益17億5200万円(同8.4%減)の減収減益だった。
期中に7店舗を新規出店したものの、既存店舗が対前期比3.9%減と振るわなかったことが主因だ。既存店舗不調の原因は、客数が同3.9%減少していることにある。
「特に都心の店舗が苦戦した。首都圏は全国レベルで見れば人口が増えている稀な地域。それだけに同業異業各社の投資意欲は旺盛で、食品スーパー、コンビニエンスストア、ミニスーパー、ドラッグストア、ネットスーパーなど異常と言えるような出店ラッシュが続き、業態を超えての競争が激化している。そうした状況への対応が遅れてしまったことは否めない」と田尻社長は振り返った。
ただ、サミットは、手をこまねいて現状を眺めているわけではない。
2013年3月期から2~3年間は、新規出店を抑える一方、約12億円の予算を組み、既存店の活性化に投資する。
2011年10月に開業した成城店(東京都)で実験・導入した新MD(商品政策)が好調に推移していることから、ここでの取組を既存店に組み込んでいくという。
プロジェクトチームを結成し、月間4~5店舗のペースで改装作業を進める。
その1号店として2012年4月27日にリニューアルオープンしたのが石神井台店(東京都)だ。オープン以来、対前期比20%増で売上は好調に推移する。
たとえば鮮魚部門では、同じ商品の見せ方を変えただけで、「新鮮になった」とお客から評価されるようになった。
「従来とは違うニーズがあり、旧態依然とした店舗では対応できないことが分かった。改装するとお客様は戻ってきてくださる。だから新MDを導入したい」(田尻社長)。
サミットは、創業50周年を迎える2013年に向けて、地盤固めに専心。2013年3月期は営業収益2500億円、営業利益36億円に設定。長期目標200店舗、売上高5000億円に向けて舵を切った。