優先席の権利を主張する老人が増えてきたような気がする。実は、この1週間で2回、目にした。
老人は、勢いよく電車に乗り込んでくると、シルバーシートに直行し、「代わってください」と懇願する。
読者のみなさんの中には、実際に目撃された方、経験された方はいないだろうか?
いまのところは、身体の状態に応じて、席を譲って差し上げればいいだけの話なのだが、もしこうした光景が日常として定着し、老齢社会がどんどんと進んでいけば、優先席の席数は圧倒的に不足することになる。
たぶん、全席を優先席にしても追いつかなくなるだろう。
ゆったりと優先席に座っている72歳の老爺に対して、「オレは95歳だ」なんて恫喝しながら席を譲ることを強要したりする凄まじいシーンが繰り広げられるのは、近未来のことか?
そんな中で、圧倒的に不利な立場に追い込まれるのは、普通に働いているサラリーマンだろう。すべてが優先席となると、たとえ昼間に身を粉にして働いていたとしても、高齢・老齢者を差し置いて堂々と座るわけにもいかなくなるからだ。
近い将来には、「電車とは立つもの」ということが常識として根ざすようになる可能性がある。