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「STORE OF THE YEAR 2012」所感

 今年2月1日から『チェーンストアエイジ』誌読者の皆様に投票をお願いしておりました「STORE OF THE YEAR 2012」の集計が終了して、いよいよ発表するのみとなりました。

 ご投票にご協力いただきありがとうございました。改めて、御礼申し上げます。

 

「STORE OF THE YEAR 2012」の具体的な順位につきましては、小誌4月1日号で発表しますので、そちらをお読みください。

 本日は、このランキングを横目で見ながら、この1年の出店の傾向についての所感を述べたいと思います。

 

 一番の驚きは、「STORE OF THE YEAR 2012」の上位に入選した店舗の大半が「ライフスタイル提案型」であったことです。

「ライフスタイル提案型」は、ひとつの“ブーム”や“トレンド”になっているような感じさえします。実際、近年は、競争軸を「価格」ではないところに求める多くの企業が参入を果たし、店舗を開業しています。

 

 低価格競争はつらいものです。常に競合店舗の売価を気にして、修正して、少しでも下をくぐらせて、ということに努め続けなければならないからです。

 

 そんなつらく、あるところ馬鹿げた価格競争を脱して、新機軸で競争しようというのが「ライフスタイル提案型」の売場づくりであり、ヨークベニマル(福島県/大高善興社長)やヤオコー(埼玉県/川野清巳社長)が早い段階から着手し始め、ようやくモノにしようとしています。

 

 ところが、今度は、その取組をマネする企業が雨後の竹の子のように現れました。

 

「ライフスタイル提案型」の売場的な特徴は、レシピ配布や実地調理によるメニュー提案、地場野菜導入、ハーフデリ、鉄板設置、クロスマーチャンダイジング、催事売場…。

 自社の方針によって自社独自で「ライフスタイル提案型」に取り組み、血や骨やDNAとして自社に身についているのであれば、こんなに素晴らしいことはありません。

 

 しかしながら、表層をマネているだけ、という残念な店舗も少なくないのが現実です。

 せっかく、価格軸の同質競争から抜け出そうとした企業がまた「ライフスタイル提案型」と名前を変えた軸での同質競争に向かおうとしているのです――。

 

 さて、ここまでを読んで、思い当たる節のある経営者の方は、いますぐ何か手を打つべきではないかと思われます。