1947年から49年生まれの「団塊の世代」は約800万人を数える大きな市場である。
彼らが動けば市場が動いた。
ビートルズ世代、全共闘世代、フォーク世代、モーレツサラリーマン、アンノン族、クロワッサン族、ニューファミリー、と時代時代に相応する名前を付けられ、消費を主導した。
そろそろ年金支給も開始され、市場としてはさらに注目を集めそうな「団塊の世代」――。
ところが、「世代として一括りにするのは間違っている」と指摘するのは、小誌執筆者としてお馴染みの矢野清嗣さんだ。
「『団塊の世代』はカタマリではない。学歴によっても勤め先によっても、その収入、資産、生活レベルはまったく異なる。たとえば、同級生が同士の結婚である友達夫婦がいる半面で、3歳~5歳年上の旦那さんを持つ女性も少なくない。そうなると性別によっても趣味趣向や生活はまったく違う」。
「団塊の世代」は、言葉自体がカタマリを表すので、ややもするとひとつの市場としてとらわれがちだ。
だが、やはりマーケティングの基本であるセグメンテーション→ターゲティング→ポジショニングの原理原則に沿って攻略したい。
(『チェーンストアエイジ』誌2011年2月15日号)