「僕の実力は凄いんですよ。何せ、“京都のイチロー”と呼ばれていたんですから。打つに決まっているでしょう?」
選手の実力を形容する際に、実際の選手を持ち出して、「(地域名、学校名、競技名)の○○○」と使うことは、一般的だ。
冒頭の“京都のイチロー”などは、その最たる例。現実的に、“上州のイチロー”と呼ばれているのは、今シーズンにオリックス・ブルーウエーブのドラフト1位で入団した駿太だ。
また、個性派俳優の赤井英和さんのプロボクサー時代は“浪速のロッキー”だったし、バルセロナオリンピックの金メダリスト古賀稔彦さんは“平成の三四郎”、『ゆうひが丘の総理大臣』というTVドラマ化されたマンガもあった。
ただ、これは他人から評されるからいいものであって、自ら主張するとなると、はなはだ格好悪いし、空しいキャッチコピーにしかみえない。
ところが、世の中にはいろいろな人間がいるからわからないものである。
「流通業界のジャック・ウェルチ」「流通業界のカルロス・ゴーン」「流通業界の松下幸之助」を自称する経営者やコンサルタントを信じることができるだろうか?
少なくとも、私なら眉にツバしてしまい、笑ってしまう。
でも、この業界には、コメディのようなことを真顔でやっている人がいるのだから、本当に驚く。
思わず「責任者出てこい!」と人生幸朗さんよろしく、叫びたくなる。