そして、いま、ウォルマートのような“王者”というべき企業が自社既存店舗に隣接する形で出店したときに、いかに対処すべきだろうか?
チラシ掲載商品や“売れ筋”商品などの重点商品の価格を王者以下に下げて、徹底抗戦するというのが、いまのところ、ほとんどの企業の採っている手法だろう。同質飽和化している市場の中での競争力とは低価格でしかないからだ。
しかしながら、“王者”との企業体力の差はすでに明らかであり、原資の根拠がない出血サービス覚悟の“安売り”は、やがて、自社の財務諸表を傷つけ、ムリを重ねた末に、その企業は、衰退の道を歩むことになる。
チェーンストアが勃興する以前に隆盛を極めた「パパママストア」がガンバリズムを最後の砦として生きながらえたように、ムリすることで企業寿命は10年以上、延びるかもしれない。しかしながら、生存カスカスの利益では出店や商品開発などの再投資までには回らず、早晩、撤退からは免れなくなる。
(明日に続く)