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後部座席シートをめぐる論戦

 タクシー車内のアナウンス「安全のため、後部座席のシートベルトをお締めください」

 

 私「ああ、そう言えば、2008年6月から、後部座席のシートベルト着用が運転席・助手席と同様に義務化されましたよね。締めてるお客さんはいるんですか?」

 

 タクシーの運転手「いないねえ。私の感覚では100人乗せて、1人締めればいい方かな? 罰則はあるけど、警察も見過ごしてるものねえ」

 

 私「注意しないんですか?」

 

 タクシーの運転手「禁煙だってやっと守ってもらっているのに、そんなことしたら、怒って降りちゃうよ」

 

 私「でもJAF(社団法人日本自動車連盟:東京都/田中節夫会長)と警察庁が2010年に自家用乗用車利用者を対象に行った『シートベルト着用状況全国調査』は、もっと数字が良かったんじゃないかな」

 

 タクシーの運転手「確か後部座席のシートベルト着用率は、高速道路等と自動車専用道路で6割ちょっと、一般道路は3割ちょっとだったね」※

 

 私「ずいぶん詳しいですね。それって、運転手さんの感覚よりも30倍もいいじゃないですか?」

 

 タクシーの運転手「そりゃそうだよ。自家用車だからね。身内の運転者に責任を負わせたくないじゃない」

 

 私「なるほど。そうなんですね。勉強になるなあ」

 

 タクシーの運転手「そんな感心してないで、ちょっと気持ちがあるなら、お客さんこそ、シートベルトしてくださいよ」

 

 私「すみません。失礼いたしました」

 

 ※高速道路等では63.7%(対前年比0.3ポイント増)、一般道路では33.1%(同0.4ポイント減)