9月23日は「秋分の日」。彼岸の中日である。
それだけではなく、同日は「テニスの日」でもあることをご存じだろうか?
制定されたのは1998年と新しいので、あまり普及しておらず、知らない方が大半だと思う。
「テニスの日」の制定候補日をめぐっては、語呂合わせの10月24日(テン・ニ・スー)や10月10日の体育の日(当時)、ジャパンオープン最終日、全日本選手権最終日などいろいろあったようだが、誰もが楽しめる国民の祝祭日であること、全国各地で楽しくプレーするために気候的に最適であることなどを勘案して選定したそうだ。
ということで9月23日の「テニスの日」には、私の通うテニススクールでも「テニスフェスタ」と称するお祭りが開かれる。
メーンイベントは、コーチ陣による「ガチンコ対決」だ。ふだん、私たちスクール生を叱咤激励するコーチ陣が8つのペアをつくり、合計4試合のエキシビジョンマッチを見せてくれた。
興味の的は、コーチが選手になり、試合をした時にどの程度の腕前を披露できるかにある。
試合が始まり、受けた衝撃は、コーチも“人の子”と分かってしまったことだ。
いつもは、ほぼ完璧なプレーを繰り返す実力の持ち主たちも、緊張の中では、私たちと同じようなミスを犯してしまう。
たとえば、相手が何とかコートに返してきたチャンスボール――。確実に決めると思いきや、うわっ。バックアウトだ。ネットだ。サイドアウトだ。
また、「ウォッチ」すればアウトするようなボールも幾度となく打ち返してしまう。そうこうしているうちに相手の逆襲に遭い、ポイントを落としてしまう。
「このミスはいつかしたミス」。いつもの私たちの写し絵である。
試合後にコーチに聞けば、「多くの教え子たちに見守られる中で非常に緊張しながら進めていた」と訳を話してくれた。
私にとっての最大の発見は、テニススクールは、テニス(技術)スクールであるということ。競技上の2~3割の重要度を占めると言われる精神面の強化は違う学校に通わなければいけないのかもしれないということだ。