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子供たちとの楽しい思いでづくりを

 わが家から徒歩0分のところに酒屋がある。

 昔ながらの酒屋ではあるが、いまでは弁当やパン、若干の生鮮食品も扱う、ちょっとしたミニスーパーのようなお店だ。

 

 営業時間は7時から23時までのセブン→イレブン。値段は定価販売がほとんどで、本来であれば買いに行きたくないお店のひとつであるのだが、あまりにも自宅に近いためについつい使ってしまう。

 

 よく言えばポリシーを崩さない、悪く言えば頑固なお店である。そのことは50代半ばと思しき主人の面構えや接客態度からも分かる。

 コンビニエンスストアのフランチャイジーになる話は幾度となくあったはずだが、そんな誘いには乗らなかった。

 

 そして、お盆と正月はしっかりと休む。

 店舗を開ければ、確実に売り上げは立つのだろうが、お盆は8月14日から16日まで、正月は元日から5日まで、連休を取る。

 

 ただ振り返ってみれば、昔はそんな働き方が当たり前だった。

 

 しかし、スーパーやコンビニの便利さに慣れきってしまったいまの私たちの感覚では、おかしなお店と言わざるをえない。

 それでもやめないし、それで商売が成り立っているのだから立派としかいいようがない。

 

 現代の小売業は、盆や正月は繁忙期に当たっているため、なかなか休業するわけにはいかない。人が遊んでいるときに忙しく働くのは、流通業の宿命である。

 

 けれどもこの酒屋のやり方を見ていると、やりようはいくらでもあるような気がしてならない。

 盆には、“迎え火”“送り火”をして盆踊りをする。正月には初詣――。

 従業員が家族と過ごす時間に充てることを推奨する企業があっても悪くない。

 

 今日は8月18日。子供たちの夏休みも残り10日余り。流通業で働く親御さんにも子供たちとの楽しい思い出づくりの時間をたくさん持ってほしいものだ。