「頑張る」という言葉が嫌いだ。日常的に使われている「頑張る」とは、いままでと同じことを同じ手法で長時間を費やして熱心にやること。そこには、マーケティング的視点もイノベーション的な視点もない。
いままでと同じことをやるのであるならば、本来の努力の方向性は、異なる手法で時間を短縮して終わらせることにあるはずだ。にもかかわらず、昨日の延長線上に明日を求め、ただただ働くケースがなんと多いことか。その先に新しい結果は、見えてこない。
「ニューノーマル」には、その意味からも可能性を感じる。先行き不透明の社会・政治・経済状況を、“新しい常態”として受け入れる。
時代が変わり、消費者が変わり、購買行動が変わっているのだから、いまの手法で「頑張っ」ても成功は望み薄だ。
新しい競争、新しい消費者に対して、小売業は“新しい標準”で挑みたい。
『チェーンストアエイジ』誌2010年1月15日号 一部修正