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基礎トレーニングが選手寿命を延ばす

 私「伊達公子選手は凄かったなあ。ボクが見に行った9月の東レ パン・パシフィック・オープン テニスでは、マリア・シャラポアを破りました。40歳、不惑ですよ。でもよく考えると最近はどんな競技でも年端のいった選手が多くなってきてますね」

 

 Tさん「そうですね。今年、埼玉西武ライオンズを退団した工藤公康投手は47歳だし、中日ドラゴンズの山本昌広投手は現役で45歳。サッカー界では、カズこと三浦知良選手が43歳。競馬では安藤光彰騎手の51歳、競輪の竹田恵一選手は61歳。先週は長野五輪の金メダリストだった船木和喜選手がスキースキージャンプ競技を35歳で優勝しました。やっぱり選手寿命は以前よりも大きく伸びています」

 

 私「以前、BLOGに書いたこともあるんですけど、ジョージ・フォアマンがボクシングのヘビー級チャンピオンタイトルを45歳で奪取した頃から、高齢の選手が活躍しはじめてきたような気がします。フォアマンはボクシングの練習よりも、腹筋などの基礎練習に時間をかけていました」

 

 Tさん「そう、実は、それがキーワードなんです。基礎練習、フィジカルトレーニングなんですよ。肉体能力の維持・強化や健康保持などを目的とした運動です」

 

 私「日本のプロ野球界に大リーグ進出の門戸を開いた野茂英雄さんを教えていた、えーと、立花さんっていましたよね」

 

 Tさん「よく知っていますね。立花龍司さんです。選手経験はありませんでしたが、1989年に近鉄バファローズのコンディショニングコーチとして契約。最新のトレーニング理論を導入した指導は、投げたり、打ったり、走ったりばかりしていた従来の長時間練習とは大きく違っていました。彼の教えを守り続けているうちに、負傷者が少なくなったことから仰木彬監督と近鉄の選手の間で高く評価されたんです。次の監督の鈴木啓二さんに嫌われたために退団しましたが、野茂さんのことは、その後も教えていました」

 

 私「基礎練習はとても大事なんですね」

 

 Tさん「そうです。テニスの場合だと、力強いサーブが打てないからとすぐにスライスサーブを覚えようなどと技術で逃げる方が多いんですけど、そうじゃなくて、身体を鍛えることで、サーブは力強く打っていく」

 

 私「なるほど」

 

 Tさん「最近は高齢の選手だけでなく若い選手も基礎練習をしています。たとえばテニスで7時間の練習をしている選手なら、実際にボールを打つのは3時間。あとの4時間は基礎練習なんていうのが主流で、トッププロは確実にそういう練習をしています」

 

 私「それは、非常に興味深いですね。しかし、選手寿命が延びるようになったのは歓迎すべきことですけど、若手はいったい何をやっているのでしょうね? どんどん出てきて、高齢者を追いぬいていってもらわなければいけません(笑)」