ノーマライゼーション(normalization)を謳う公共施設や商業施設などが散見できるようになってきた近年ではあるが、まだまだ世の中は10~50代の健常な男女に向けた施設があふれかえっている。
それはそうだろう。
国立社会保障・人口問題研究所(東京都/西村周三所長)が描く2000年時の日本の人口ピラミッドを見れば、その理由は一目瞭然だ。
http://www.ipss.go.jp/site-ad/TopPageData/2000.gif
10~50代の若く元気な世代が最大のボリュームなのである。
ところがいまから20年後の2030年の人口ピラミッドを見るとどうだろう。
http://www.ipss.go.jp/site-ad/TopPageData/2030.gif
ボリュームゾーンは50代以上になっていることが分かる。
ということは、これからの社会は、従来からの“健常”の定義が大きく変わってしまう可能性が大きい。
歩くスピード、動くスピード、食べる早さ、持てる物、買える分量、食べられる量…。
まさに何もかもだ。
50代以上の所作がスタンダードになる時代はすぐそこに迫ってきている。
綿密にシミュレーションを行い、そろそろ備え始めなければいけない。