味の素(東京都/伊藤雅俊社長)は、「全世界、全世代、全世帯に向けたファンづくり活動」に注力している。
その一環として目を付けているのが、「ギャルママ」の存在だ。
日本ギャルママ協会(東京都/AKI会長)によれば、「ギャルママ」とは、(1)年齢に制限はない、(2)見た目がギャルである、(3)子供がいる、(4)今時のファッションを取り入れるのが敏感である、(5)世の中のトレンド(流行)に敏感である、の5項目で定義される。
「従来の活動ではアプローチできない層の象徴だった」とは、西井元章食品事業本部調味料部長。
ところが、30万人存在するギャルママがマーケティング上もリーチできる環境が整ったということから、2010年4月から「mamaごはん」キャンペーンをスタートさせ、同じ気質を持つサークル子育てママ120万人と合わせた合計150万人に照準を定めた。
具体的には、『I LOVE mama』誌(発行20万部)とコラボレーションすることで、若年女性のナンバーワンケータイブログサイトの「アメーバ」内に専用サイトを立ち上げ、ギャルママのアイデア料理をサポート。
また、ABCクッキングスタジオや味の素本社の会議室に親子を招いて、情報交換することでアイデアを共有するミーツを開催。さらには、川崎工場の見学イベントなどを通じて若年ママを応援する取組を開始している。
6月からはTVCMで告知を開始した。ギャルママがリスペクトする元女子プロレスラーでタレントの北斗晶さんを起用して、浸透を図っている。
「彼女たちは見た目が凄まじいので普段はつい目をそむけがちだが、よく観察すると、おしゃれに命をかけながら、料理や育児を両立させることを怠らない、次世代の良妻賢母になる可能性を秘めている」(西井部長)。
創業201年の伝統を持ちながら、柔軟な発想で新しく、難しいマーケットになお挑戦し続ける同社の企業風土に凄みを感じる。