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平常時にこそBCP(事業継続計画)を検討しておきたい

 ある調査機関によれば、2010年の時点で、次の30年間に巨大地震が起こる確率は宮城県沖99%、首都圏直下型70%、東海地震87%と言われていた。

 空恐ろしいと言えば、空恐ろしいことである。

 

 必ず起こるであろう地震を前に流通業ができることは、何だろうか?

 

 流通マーケティング研究所(東京都)の臼井秀彰代表は、キーワードとして「分散」を挙げる。

 「地震を避けることはできないが、対策を打つことは可能だ。具体的には、①サプライチェーンの見直し、②在庫分散、③物流センター複数化、④主力センターの西日本化、⑤業務提携、⑥大手3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)への委託、⑦本社機能分散化、⑧SCMのグローバル化などだ」。

 

 イオン(千葉県/岡田元也社長)グループが東日本大震災で見せたライフラインの確保と復旧の迅速さは、①ナショナルチェーン、②100%コントロール可能なサプライチェーン、③グローバルソーシング、④PB(プライベートブランド)所有、ゆえに可能だったわけだが、同じことをリージョナルチェーンもローカルチェーンもできないことではない。

 

 「忘れた頃にやってくる天災」に対しては、「備えあれば憂いなし」だ。

 

 そこで規模の大小にかかわらず検討しておきたいのは、BCP(business continuity plan:事業継続計画)である。

 BCPとは、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの事態に遭遇した時に、事業資産の損害を最小限にとどめ、中核事業を継続、または早期復旧するために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などのこと――。

 

 コストとの兼ね合いでどこまでのレベルでできるかは各社各様だろうが、平常時にこそ検討しておきたいものだ。