GMS(総合スーパー)企業の苦戦が続いている。
2009年度の決算では、連結ベースの業績は12社中11社が対前期比減収。衣食住の全部門が前年レベルに達していない企業が目立った。
GMS企業は、とくに減収幅が大きいかつての利益部門の衣料、住居関連の建て直しに力を注いでいる。
だが、なかなか上向かないのが現状だ。
資本力、人材力、バイイングパワーも持ちうるGMS企業が、ユニクロ(山口県/柳井正社長)、しまむら(埼玉県/野中正人社長)、ニトリ(北海道/似鳥昭雄社長)、カインズ(群馬県/土屋裕雅社長)などのようなビジネスモデルを確立することはいとも簡単そうに見える。
それがなぜできないのか?
一番大きな理由は、大企業病化とでもいうべきサラリーマン気質の従業員が主流化していることだろう。
新しい事業を立ち上げるには、創業の覚悟が必要だ。しかし、その責任を進んで背負い込める人材がいない。
たぶん、企業内に起業のDNAはあるはずなのに、残念至極の状況が続いているのだ。