ついに2021年。しかしコロナの猛威は衰えることを知らず…。ま、暗いことばかり考えてもしょうがない。そこで今回は、志ら乃師匠の持ち込み企画「STOS大賞」の発表を行います。ちなみにSTOSとは、「Shirano Tatekawa O Susume」の略。この1年間訪ね歩いたスーパーで師匠が見つけた”おススメ”の逸品とは…?
STOSとは…
「Shirano Tatekawa O Susume」—―略して「STOS」。つまり今回は立川志ら乃の「おすすめ大賞」を発表し勝手に表彰しちゃうぞ!回です。
受賞基準は
「私、立川志ら乃自身がとても気に入っている」ことに加え、
「それを『スーパー打ち上げ』参加者に勧めた際、反応が良かったもの」としました。
本連載で何度となく触れていますが、「スーパー打ち上げ」ってなんだよ!という方もいらっしゃるかと思いますので簡単に説明しますと、
「スーパーで買い物をする」
以上です。詳しくはこの連載の初めの方に書いてますのでご参照下さい。
参考:落語家・立川志ら乃のスーパーマーケット徒然草 第6回「 落語会の打ち上げは、スーパーで。」
ちなみに、この賞に「順位」はありません。「受賞=大賞」です。では早速発表に参りましょう。
①「さっぱり&ジューシー」なチキン、いきたいだけいけばいい…~マルマンストアの「フライドチキンフィレ」~
まず最初は、マルマンストアの「チキンフィレ」です! おめでとうございます!
マルマンストアはお肉屋さんが母体になっているので、肉に関する信頼度はピカイチ。とくに私は「かない豚」が好みです。
そして唐揚げ等のお総菜も、同価格帯で比べた際、ほかのスーパーよりもやや上位ランクと感じています。いろんなスーパーに通っていると、時として、ぐにゃっとやわらかく、カラっとしていない鶏の唐揚げに出会うことがありますが、マルマンストアでそれを感じたことはありません。
そして、とくにこのフライドチキンフィレは「さっぱり&しっかりジューシー」を体感できる一品。また一つひとつが割と小ぶりで食べやすいので、ちょっとつまみたい時には1~2個、がっつり行きたい時には行きたいだけ行けばいい。とにかくいろんなニーズにはまりやすく勧めやすいのが受賞の決め手です。なお、濃い目の味が好みの人には「スパイシー味」をおすすめするのが「スーパー打ち上げ」の際の私の定番。
②米、海苔、具材のトータルコーディネートが秀逸 ~吉池の「おにぎり(北海道鮭)」~
続いて受賞したのは吉池の「おにぎり(北海道鮭)」です! おめでとうございます!
吉池のお総菜コーナーに並ぶお弁当は「あと200円増しくらいの値段が妥当なのでは?」と思うほどのクオリティ&満足度があります。ですので、お総菜コーナーで「どれもうまそうだな!」とあれこれ悩む至福の時間を確保できないような時、入店時に「今日は左から二番目!」というような心づもりで臨むようにしております。結局「悩んだ時は両方カゴに入れるのだ」という頻繁に聞こえる謎の声に背中を押されることが多いのですが。
吉池でのスーパー打ち上げは前座さんと行く機会が多いので、品質もそうですが「量」も大事。なので、皆が弁当を一つ手に取った時、「ついでにこれも行ってみれば?」と勧めるのがおにぎりなのです。
吉池はそもそも魚屋としてのカラーが強いということと、自社工場で加工したものを販売しているので、鮭については本当に格別の味。ちゃんとした鮭の味ってこれなんだろうなという気持ちになれます。それだけでなく、おにぎりに巻いてある海苔も「しっとり」と巻かれている。また、上野に近いということもあり「パンダ」の絵がフィルムにプリントされている時もあり、どこか愛嬌のある商品なのです。
とにかく、米、海苔、具材のトータルコーディネートを味わってぜひ欲しいです。
③これがホントの”お寿司屋さんの寿司”!黙って食っとけ!~オオゼキの「松にぎり」(製造者:梅丘 寿司の美登利総本店)~
そして3つめの受賞商品は、オオゼキ下北沢店の「松にぎり」です!おめでとうございます!
スーパーで買物していると、よく「お寿司屋さんのお寿司」みたいなシールが貼られている寿司を見かけますが、その度に「どこの寿司屋だよ!」と心の中でつっこんでおります。「プロ仕様」みたいな文言と同じで、なんだか騙されているような気持ちになり、急にテンションが下がるのは私だけでしょうか。
しかしオオゼキ下北沢店の「松にぎりは」違います。なんせ、泣く子も黙る世田谷・梅ヶ丘の名店「寿司の美登利総本店」の製造なんですから。
ここ1~2年、寿司に力を入れていないスーパーを「なんで?」と疑問に思わせるくらい、多くのスーパーが当たり前のように寿司に力を入れています。私もいろいろと食べ比べて行くなか、先日閉店間際のオオゼキ下北沢店に行った際、美登利寿司コーナーに商品が何もなく、「この時間だと、そりゃ売り切れてるよな」と思って他の総菜をぼんやり眺めていたら、両手でたくさんの「松にぎり」を抱えた店員さんが登場。総菜コーナーに並べ始めたではありませんか。こんな閉店間際でもさらに補充するんだ! と同行者とともにカゴに入れました。
そして帰宅後「すぐに松にぎりを食べよう」「松にぎっちゃおう」と手洗いうがいなどを済ませ、松にぎりタイム。すると、そのシャリのふわふわ感たるや!!
オオゼキさんの店で普段どのような寿司の製造体制を敷いているかはわかりませんが、おそらくその日の追加分はベテランの店員さんか職人さんが握ったのではないでしょうか。通常でもバカ旨なのに、そのシャリの”寿司屋感”に完全ノックアウト。同行者からもすぐに私と同意見の興奮気味なラインが来るほど。
以前からその傾向はありましたが、その日から完全に他のスーパーで寿司を見ても「松にぎり」の残像が消えず、たとえ半額が貼られていても「松にぎりの方がいいんだよな」とカゴに入れないことが…。美登利寿司の寿司はオオゼキ全店にあるわけではないことが少し残念ですが、「菊川店」では独自で豊洲から仕入れた寿司を展開するなど、店ごとに特徴がありそれもまた楽しい。
まとめると、「カウンターの寿司屋で出てくる寿司を常に30%オフで販売している」というような感想。「黙って食っとけ」と言いたくなるレベルです。
次回はスーパー打ち上げ参加者の「ベストバイ」を紹介しながら、今年の購入計画を立てていきたいと思ってます。
立川志ら乃
1974年2月24日生まれ。98年3月、立川志らくへ入門。2012年12月に真打ち昇進。16年7月に「スーパーマーケットが好きである」ことを突如自覚。スーパーに関する創作落語に「グロサリー部門」「大豆なおしらせ」など。寄席やイベントなどのスケジュールは下記Twitter・ブログをご参照ください。
Twitter:@tatekawashirano
ブログ:https://ameblo.jp/st-blog/