改訂版 著作権とは何か 文化と創造のゆくえ(集英社新書)
だれもが情報を手軽に発信する時代、「著作権」という言葉はずいぶんと身近になった。その一方で、誰もが著作権侵害を起こすリスクも抱える。
近年では、東京オリンピックのロゴに関する騒動が記憶に新しい。結局、著作権侵害には当たらないという結論ではあったものの、ロゴは差し替え、デザイナーは一時的にではあるが、名声に傷をつけられる結果となった。
ではこの著作権、明確な基準があるかというと非常に難しい。ロゴが似ている、ストーリーが近いからNG、とはならない。
本書は、多くの事例から「著作権」についてわかりやすく解説する。
例えば、「ドラゴンクエスト」の模倣はもちろん著作権の侵害であるが、「ロールプレイングゲーム」というアイデアは共有すべきものとして著作権は認められないなど、実在するコンテンツをもとにした解説は、読者に著作権に対する本質的な理解を深めさせてくれる。
では、そもそも著作権はなんのために存在するのか?
帯に、著者が考える存在理由について記載されてはいるが、本書を読み進めることでよりその理解が深まる。現代ビジネスパーソンの必須スキルとして、ぜひ一読されたい。