超高齢社会の「困った」を減らす課題解決ビジネスの作り方(翔泳社)
著者:斎藤徹(電通シニアプロジェクト代表)
小売業を経て広告代理店に身を置きながらも「長寿社会開発センター」客員教授も務めるという異色の経歴を持つ筆者。「超高齢社会」と「マーケティング」を組み合わせた入門書としておすすめの一冊である。
先行の課題解決ビジネスはなぜ失敗したのか?という著者の指摘は大変興味深い。「そもそも本人が課題と認識していないものを課題として設定し、商品化してしまうケース」「課題解決のための費用を誰が担うのか(もしくは担えるのか)を深く検討しないまま開発」。
他業種においても、失敗事例は枚挙に暇がないであろう。
いわゆる「マーケットイン」の発想が何よりも重要なセグメントであることは間違いない。どのように市場に参入すべきか、マーケティング担当者にとくに薦めたい書である。