海外店舗を視察に行っても質問ができない。視察先の担当者とあいさつができずにモジモジしてしまう。そんなアナタに“流通英語”の基本を教えます!第25回は、ウォルマートと差別化しながら、顧客ニーズに即した提案をするその中身が明らかになります。(これまでの全スキットはこちら)
今回のシーンと登場人物
やまだスーパーマーケットの山田信彦社長は、ディスカウンターとの競合対策を学ぶために、コーディネーターの大森剛と共にダンデライオン・マーケットを訪問した。2人は旗艦店の視察中、レイノルズ取締役とストーン店長にウォルマート対策のために行った改装の顛末について聞いている最中である。
登場人物
山田信彦 : やまだスーパーマーケット社長
トム・レイノルズ : ダンデライオン・マーケット取締役マーケティング部長
大森剛 : コーディネーター
ケン・ストーン: ダンデライオン・マーケット旗艦店店長
難易度(各英語センテンスに表記されています)
初級 : あいさつなど基本的な言い回し
中級 : よく使うので覚えておきたい言い回し
上級 : さらに突っ込んだ会話ができる言い回し
今週の英会話
山田:Is that the reason why there is a demonstration space in the store? What do you call it?
店内に実演販売のスペースがあったのはそれが理由ですか。 あれを何と呼んでいましたっけ。
ストーン:The Showcase.
「ショーケース」です。
レイノルズ:We sell many products that customers aren’t familiar with. In order to introduce these products to customers, we set up that space.
お客さまがご存知ない商品をたくさん販売しています。 それら商品をお客さまに紹介するために、あのスペースを設置したのです。
山田:To be honest,(中級) I was wondering about (中級)the necessity of the space. Now, I understood it.(初級)
正直に言うと、あのスペースの必要性について疑問に思っていました。 今、必要性を理解しました。
大森:You mentioned you did two things in order to meet customers’ needs. The other thing you did was to create casual image in the selling space, wasn’t it?
お客さまのニーズを満たすために二つのことをやったと話されました。 実行されたもう一つは、売場にカジュアルなイメージをつくることでしたね。
ストーン:That’s right. Giving a casual impression is also very important.
そうです。気軽な印象を与えることも、とても重要です。
解説
何回にもわたって、たくさんの質問文をご紹介してきました。確かに 視察では、いろいろな質問文を使いこなすと、多くを知る、あるいは 深く知るのに役立ちます。しかし、質問するばかりでなく、ときどき自 分の感想や意見を差し挟みましょう。SCENE 7で山田社長が旗艦店 について「いい店ですね」と感想を述べています。今回、山田社長は もう一歩踏み込んだ感想を語っています。今回は感想を述べるとき によく使用するフレーズを下記でご紹介しています。
このセンテンスを覚えよう!
To be honest, ~ : honest は「正直な」「公正な」「誠実な」。オ ネストと発音します。To be honest、あるいは To be honest with you は慣用句で、「正直に言うと」「正直なところ」という意味です。 この意味を表す表現で最も一般的です。ぜひ覚えて「今から、私の 率直な考えをお話しします」と前置きするときに使ってください。
I was wondering about ~ : wonder には「驚嘆する」「感嘆 する」という意味と「不思議に思う」という意味があります。いずれの 場合も wonder の後に about が付くのが一般的です。このスキッ トの wonder は過去進行形で「~について不思議に思っていた」。 今、不思議に思っているならば、I w o n d e r もしくは I a m wondering~。何かに対して疑問に感じたり、怪訝に思ったりしてい る(または、過去にそう思っていた)ことを柔らかく伝えたいときに便 利な言い回しです。
Now, I understood it. : 「今やっとわかった」。疑問が晴れたと きの表現です。Now は「今、やっと」というニュアンスを表現します。 ここでは過去に疑問に思っていたことを「理解できた」ことを強調し て understood と過去形ですが、「今は理解できている」としたい ならば現在形で Now, I understand です。いずれも「今やっとわか った」ときに使います。
KEYWORD 一般的な用語
necessity : 「必要性」の意味。ついでながら、necessity には「必 需品」の意味もあります。生活必需品は、daily necessities です。
impression : 「印象」「(漠然とした)感じ」のこと。スキットでは casual の後に image が付く表現と impression が付く表現が登 場します。image は頭に浮かぶ映像のことです。店をカジュアルな 内装にするという意味で casual image となります。casual impression のほうは、買物客にカジュアルな印象を与えることから casual impression です。