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業務スーパー「METRO」が主夫にとってのディズニーランド である理由

Eコマースの成長により、購買チャンネルが豊富な現代。家庭を担う主婦(主夫)は、どこで何を買っているのだろうか? 買い物をのぞいてみると、いまの暮らし、価値観が見えてくる。第3回目は、毎日の食事の準備を担当しているお父さん。そこには男性らしいこだわりがあった。(文中の価格は全て税抜き)

取材対象者のプロフィール

会社役員 岳さん(仮名・45才・男性)
お住まい:
東京都日野市
家族構成:
妻(専業主婦43才)・長女(8才)
リアル店舗環境:徒歩3分のところに京王ストア(SM)、ローカルスーパー(SM)、マツモトキヨシ(DgS)

 

 

 

忙しい平日は、帰り際に駅のデパートで総菜を購入

RF1の総菜。この日は、「和風ハンバーグ」とサラダは2種類購入。右が「足りないカラダに 緑の健康30品目サラダ」、左が「さびないカラダに 緑黄色野菜のシーザーサラダ」

 バリバリのキャリアウーマンだった妻が仕事中に倒れたのは、4年前のこと。脳梗塞でした。1年間の入院生活を経て、家に戻ってきましたが、半身に麻痺が残っているので、毎日の食事づくりや食材の買い出しは主に私が担当しています。もともと料理をすることが好きで苦にならないタイプですが、平日は時間がないので帰り際に総菜を買って帰ることが多いです。

 月曜日。千代田区で打ち合わせをしたあと、麻布のオフィスで会議やデスクワークをしました。仕事は都内に数校を展開するインターナショナルスクールの経営です。自宅は中央沿線なので、乗り換えの新宿駅で京王百貨店に寄りました。娘が大好きなマグロが入ったお刺身セット(三点盛り980円)と、この日は漬物セット(540円)を購入。自宅まではここから40分くらいはかかりますが、真夏でもない限り、生ものでもドライアイスをつけてもらえるので大丈夫です。ただ、帰りの電車でビニールを持って移動するのはちょっと恥ずかしいので、紙袋に入れてもらいます。

 味噌汁は毎日、妻がつくってくれます。包丁は使えないので、カット野菜を具材にしています。カット野菜は、妻が自宅のすぐそばにある京王ストアで買ったもの。リハビリも兼ねて、カット野菜やパンなどの軽い商品は妻が買い物に行っています。ご飯は朝のうちに炊飯器をセットしているので、帰宅したらすぐに食事が食べられます。

 火曜日は、立川の学校で打ち合わせや事務仕事を終えたあと、八王子の学校へ。帰りに八王子の京王百貨店のRF1(アール・エフ・ワン)で「さびないカラダに緑黄色野菜のシーザーサラダ」250g(400円/100g)と「ローストビーフサラダ」250g(645円/100g)を買いました。RF1の総菜はたくさんの野菜が食べられ、サラダなのにメインのおかずにもなるので、「最近ちょっと野菜不足かな?」という時に買いに行きます。

 水曜日も立川、八王子で仕事。この日は、朝のうちに炊飯器調理で肉豆腐をセットしていたので、帰りにローカルスーパーで大根やキュウリを買って、サラダにしました。ここのローカルスーパーは地産地消が売りで、おいしい野菜が安く買えます。生徒の保護者が野菜をおろしているので、野菜が入れられた袋に貼られた生産者名をチェックするのが楽しみです。

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私が会員制業務スーパー「METRO」が好きな理由

救世主は、コープデリのミールキット!

コープデリのミールキット「鮭のホイル焼き 柑橘風味」。豚肉の根菜汁もセットになっている

 木曜日は、立川の学校で打ち合わせや事務仕事を終えたあと、八王子の学校へ。この日は夕方、保護者会があって帰りが遅くなったので、自宅の夕飯は妻がコープデリのミールキット「9品目の八宝菜」(798円/1パック2~3人前)を使って用意してくれました。ミールキットは、食材がカット&下ごしらえされており、調味料も入っています。具材を入れて炒めるだけなので、半身麻痺が残る妻でもつくることができます。

 コープデリは、ほかのコープに比べてミールキットが豊富なので利用しています。ほかに牛乳やヨーグルト、米のような重たいものや、トイレットペーパーのようなかさばる物、たまごのような割れやすいものを注文しています。自宅まで届けてもらえるので、本当に助かっています。

 金曜日も学校を回ります。急に気温が高くなって、汗をかいたので新宿駅のユニクロでワイシャツを購入して着替えました。自分の服は移動の合間に駅で買うことが多いです。帰り際、自宅の近所の京王ストアでお刺身セットを購入。最近、この店の鮮魚売場には珍しい商品が並ぶようになって見に行くのが楽しくなりました。たとえば、「クリガニ」とか。小さい毛ガニみたいで、お味噌汁にしたらおいしかったですよ。

 食事の準備を担当しているというと、「大変ですね」と言われることもあります。でも、私にとって帰りに夕飯の総菜を買いにデパ地下やスーパーに立ち寄ることは、むしろ楽しみ。売場を眺めていると仕事モードから頭が切り替わり、リフレッシュできます。おいしそうな総菜や鮮度や品質のいい食材が並んでいるのを見るとテンションが上がるので、そういった品揃えの店をチェックして、近くに行ったら立ち寄るようにしているのです。

 

METRO」で買った食材で、手の込んだ料理をつくるのが週末の楽しみ

 売場を見るのが趣味の私が、大好きな場所があります。それが会員制の業務スーパー「METRO」です。飲食業を営む事業主しか会員になれない卸売店ですが、私は学校給食を理由に登録させてもらいました。ここは私にとってディズニーランドのような場所。妻と娘はまったく興味がないようで、私が買い物をしている間は喫茶コーナーでお茶をしていますが、毎週末、付き合ってくれています。

 精肉や鮮魚売場は、商品管理に最適な温度になっていて、まるで大きな冷蔵庫です。売り場はビニールカーテンで区切られていて、貸出用のジャンパーを着て入ります。あらゆるものが売っていますが、私がここで買うのは、精肉なら牛タン1本や豚骨など、鮮魚ならマグロのブロックや、鯛、サーモンまるごと一匹など。

 たとえば牛タン1本(参考価格3800円/アメリカ産チルド800g)買ったら、皮をむいてタン元とタン先をカット。タン元は焼肉に、タン先はスープにして、真ん中は味噌漬けにして、夕食にタンづくしメニューを食べます。今週は鯛を一匹買ってきました(参考価格1700円/愛媛県産養殖一尾)。週末は見切り品が多く、鯛も表示価格から30%オフになっていました。半身を刺身にして胡麻和えにし、半身を昆布締めに、おかしらとアラは煮つけにして食べました。

 自宅でタンの皮をむいていたら、娘の食欲がなくなって、まったく食べてくれなかったり、豚骨スープをつくろうと思って、豚骨の髄液を出すために、ベランダでトンカチをつかって砕いていたら近所の人に怪しまれたり……。いろいろ失敗しているのですが、週末に手の込んだ料理をするのが至福の時間。平日はあまり料理できないぶん、週末に腕を振るいます。

 あと、アマゾンで買ったプロジェクターで天井に映して映画を見るのが週末の楽しみです。小型家電は、すべてアマゾンで買っています。36,851円で「Anker Nebula Capsule (Android搭載モバイルプロジェクター/100 ANSIルーメン)」という商品。映画館気分が味わえて、オススメですよ。