海外店舗を視察に行っても質問ができない。視察先の担当者とあいさつができずにモジモジしてしまう。そんなアナタに“流通英語”の基本を教えます!第5回はさらに競合との戦い方について、踏み込んだ質問をしていきます。
今回のシーンと登場人物
オハイオ州のダンデライオン・マーケットにディスカウンターとの競争対策を学びに来たやまだスーパーマーケットの山田信彦社長。ダンデライオン・マーケットのトム・レイノルズ取締役の案内で、コーディネーターの大森剛と共に、ウォルマート対策の実験場である旗艦店へ向かう。その途上、車中で競合状況について質問していると、車窓にウォルマート・スーパーセンターが見えてきた。旗艦店の競合であるウォルマート・スーパーセンターについて、山田社長がさらに質問をする。
登場人物
山田信彦 : やまだスーパーマーケット社長
トム・レイノルズ : ダンデライオン・マーケット取締役マーケティング部長
大森剛 : コーディネーター
難易度(各英語センテンスに表記されています)
初級 : あいさつなど基本的な言い回し
中級 : よく使うので覚えておきたい言い回し
上級 : さらに突っ込んだ会話ができる言い回し
今週の英会話~競合店の詳細~
レイノルズ:Mr. Yamada and Mr. Omori, you can see the Wal-Mart Supercenter over there.
山田さん、大森さん、あちらにウォルマート・スーパーセンターが見えます。
大森:Oh, yes. Is that the closest supercenter to your flagship store?
ああ、そうですね。あの店が御社の旗艦店に最も近いスーパーセンターですか?
レイノルズ:Yes. It's 4 miles from there to our flagship store.
そうです。あの店から当社の旗艦店までは4マイルです。
山田:When did that store open? (中級)
あの店は、いつオープンしたのですか?
レイノルズ:In June 2008. Their store is over three times as large as ours. 2008年6月です。あの店は、当社の店の3倍以上の大きさです。
山田:So, what are the sizes of the two stores? (中級)
というと、両店の広さはどれぐらいですか?
レイノルズ:That supercenter is about 150,000 square feet. Our flagship is 46,235 square feet.
あのスーパーセンターは約15万平方フィート。 当社の旗艦店は46,235平方フィートです。
解説
今回のスキットでのポイントは、相手の答えに対して、さらに突っ込ん だ質問をすることです。国が違えば同じ業界でも、さまざまな点にお いて考え方ややり方等々が違うもの。わからない点があればなんでも 率直に訊ねることは決して失礼にはあたりません。ただし、“Sorry, I cannot answer that”( お答えできません)などと言われたら、それ 以上の質問はストップします。このスキットでは、店舗面積を重ねて訊 ねています。ちなみに、ここに登場する店舗面積46,235平方フィート (約4200㎡)は、全米のスーパーマーケットの店舗面積の中央値です [FMI(食品マーケティング協会)発表]。
このセンテンスを覚えよう!
When did that store open? : 「あの店は、いつオープンしたの ですか」という意味ですが、視察で使うことが多いのは「この店は、 いつオープンしたのですか」ですね。その場合は、When did this store open? となります。この文章を覚えて、視察の際にぜひ使って みましょう。
What is the size of ~? : 店舗面積や売場面積を訊ねることも視 察ではよくあります。sizeのところにareaを持ってきても、同様の質 問ができます。今いる店の店舗面積を問う際は、What is the size of this store? です。同じく売場面積(sales area)を問う際は、What is the size of this sales area? となります。
KEYWORD 一般的な用語
over there : 場所や方向を示すthereは、「あちらに」「そこに」と
訳されます。このthereの直前にoverを付けると、少し距離があるニ
ュアンスが加わります。このスキットの文章ですと、イメージ的には、
道路や畑を越えた向こうにウォルマート・スーパーセンターが見えて
いる感じです。thereではなく、over thereとなったら、「何かを越え
た向こう側に」というニュアンスを感じ取ってください。
closest : 前号でtoughの最上級を学びました。今回は、closeの最
上級です。closeは「接近した」「近い」という意味です。前号の繰り
返しになりますが、最上級とは、性質・状態・度合いなどの程度が最も
高いことを表します。ですから、closeの最上級closestは、「最も近
い」という意味になります。最上級は、前にtheが来ます。
three times as large as : 「3倍大きい」という意味です。asと
asの間には、大きい、高い、多いなどの形容詞を入れます。たとえば
「3倍(高さが)高い」ならば、three times as tall asとなります。4倍
ならばfour times as~as。5倍ならばfive times as~asです。で
は、2倍は何というのでしょうか。そうです! twice as~asです。2倍
だけが言い方が違うので、要注意です。