【北京時事】中国国家統計局が15日発表した4~6月期の国内総生産(GDP)は、物価変動の影響を除いた実質ベースで前年同期比4.7%増加した。伸び率は前期(5.3%)から大きく減速し、政府が年間目標に掲げる「5%前後」を下回った。低迷する不動産市場が景気の足を引っ張っている。統計局は今回、GDPに関する恒例の記者会見を行わなかった。
1~6月期は5.0%増。このうち幅広い投資動向を示す都市部固定資産投資は3.9%増だった。インフラ投資と製造業投資がプラスだったものの、不動産開発投資は10.1%と大幅なマイナス。統計局は公表した資料で「全体的に安定しているが、依然として需要が不足している」との景況認識を示した。
6月の小売売上高は前年同月比2.0%増加。食品は2桁増だったが、消費の柱となる自動車が6.2%減と低迷。鉱工業生産は5.3%増だった。
野村ホールディングスは今月公表したリポートで、景気刺激策が講じられなかった場合、7~12月期の中国の成長率は4.2%に低下する可能性があると予想。市場では、15日開幕の共産党の重要会議、第20期中央委員会第3回総会(3中総会)で打ち出される経済政策に注目が集まっている。