メニュー

カスハラ、マニュアル策定求める=法整備で義務付けも―UAゼンセン

(i-stock/mapo)

 小売り・サービスなどの産業別労働組合UAゼンセンは5日、客による従業員への迷惑行為「カスタマーハラスメント(カスハラ)」の調査分析結果を公表した。カスハラが従業員の精神状態に悪影響を及ぼしていると指摘。勤め先に対応マニュアルの策定を求め、政府にも企業に対策を義務付ける法整備を要請した。

 UAゼンセンが小売り・サービス業に従事する組合員を対象に実施した調査(回答者約3万3000人)によると、2年以内にカスハラ被害を受けた割合は46.8%。最も印象に残る行為は「暴言」がトップ。「威嚇・脅迫」「繰り返しのクレーム」が続いた。

 被害を受けた後は「嫌な思いが続いた」との回答が半数に達し「心療内科などに行った」と回答した人も約120人いた。ストレスの状態を表す数値の平均値は、カスハラ経験がある従業員の方が明確に高かった。 

 一方、全体の4割強が勤め先で対策が講じられていないと回答した。記者会見したUAゼンセンの佐藤宏太流通部門執行委員は「従業員を守るために、まずは企業としてカスハラに毅然(きぜん)と対応する方針を示すことが重要だ」と強調した。