【ワシントン時事】米労働省が3日発表した10月の雇用統計(季節調整済み)で、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数は前月から15万人増加した。伸びは前月の29万7000人(改定値)から大きく縮小。市場予想(18万人)も下回った。全米自動車労組ストなどが響いた。
失業率は3.9%と、前月(3.8%)からわずかに悪化した。インフレに影響する平均時給は前年同月比4.1%上昇。伸びは前月(4.3%)から鈍化した。
業種別の就業者数は、医療関連が5万8400人増、建設業も2万3000人増。一方、自動車・部品関連はストの影響で、3万3200人減となった。
米国のインフレ率は昨年半ばのピークから大幅に低下したものの、下げ渋る兆しも出ている。米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレを抑制する上で労働市場の動向を重視。「労働力の需要は依然として供給を上回っている」(パウエル議長)と、賃金上昇を招く人手不足傾向に警戒感を示す。
ただ、賃金の伸びは昨年の年5%超からは「ある程度鈍化の兆候が見受けられる」(パウエル氏)。こうした中、FRBは1日の金融政策会合で、2会合連続の金利据え置きを決めた。追加利上げの是非を判断する前に、労働市場などの推移をさらに見極める構えだ。
◇米雇用統計概要
9月 10月
失業率 3.8% 3.9%
非農業部門就業者数 29.7万人 15.0万人
民間部門 24.6万人 9.9万人
物品生産部門 2.8万人 ▲1.1万人
サービス部門 21.8万人 11.0万人
政府部門 5.1万人 5.1万人
労働時間(週平均) 34.4時間 34.3時間
平均時給 33.93ドル 34.00ドル
平均時給伸び 4.3% 4.1%
労働参加率 62.8% 62.7%
U6失業率 7.0% 7.2%
長期失業者(半年以上) 121.6万人 128.2万人
経済的理由でのパート勤務 406.5万人 428.3万人
【注】▲は減少。「U6失業率」は完全失業者、正社員を希望しているパート労働者、働く意欲はあるが職探しをやめた人を加味した広義の失業率。