【ワシントン時事】米労働省が12日発表した9月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比3.7%上昇し、前月と同水準の伸びとなった。人件費の比重が大きいサービス分野の価格上昇が続き、全体を押し上げた。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は4.1%上昇と、前月から減速した。
米国のインフレ率は、昨年半ばのピークを越え、緩やかな減速傾向にある。ただ、依然として労働市場の逼迫(ひっぱく)を背景に賃金上昇が続いており、物価上昇圧力は根強い。
項目別では、自動車修理や自動車保険など輸送関連サービスが9.1%の大幅上昇。家賃も7.2%上がった。原油高を背景にガソリンも伸びた。一方、中古車・トラックは8.0%低下した。
米連邦準備制度理事会(FRB)は、インフレは「依然として高すぎる」(高官)として、物価の上振れリスクを警戒。景気抑制的な政策金利の水準を一定期間維持する姿勢を示しており、「金融引き締めが長期化する」(米エコノミスト)との見方が出ている。