財務省が10日発表した5月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引、投資収益の状況を示す経常収支は、前年同月比2.4倍の1兆8624億円の黒字だった。黒字は4カ月連続。資源価格の高騰が一服し、貿易赤字が縮小したことなどが押し上げ要因になった。
輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は1兆1867億円の赤字(前年同月は1兆9381億円の赤字)だった。輸入額は原油価格の下落などにより、10.2%減の8兆4279億円と2カ月連続で減少した。輸出額は中国の景気減速を背景に、2.8%減の7兆2412億円となり、27カ月ぶりに減少した。
配当金や利子の収支を示す第1次所得収支は17.0%増の3兆6319億円の黒字で、5月としては過去最大となった。