新型コロナウイルス対策の行動制限緩和と気温の上昇を受け、初夏商戦が熱気を帯び始めた。ビアガーデンではグループ客が増え、小売店ではお出掛けの際の日差しに備えた日傘や小型扇風機の販売が好調。一方、電気代の高騰でエアコンは節電型が人気だ。
東京都新宿区の「森のビアガーデン」は4月中旬に営業を始めた。コロナの感染症法上の位置付けが今月8日に「5類」へ引き下げられるのを見越し、例年より早くオープンしたところ、会社員や学生らのグループ客で連日盛況という。10日夕に友人と訪れた大学生の女性(22)は「入学当初はコロナ禍の真っただ中だった。残りの学生の時間を楽しみたい」と笑顔を見せた。
横浜市などでビアガーデンを運営する企業は、足元の予約客数が前年比1.5倍となっている。「昨年は見られなかった100人以上の団体予約が既に10件を超えている」(担当者)といい、食べ放題で提供する肉の仕入れを増やしている。
本格的な夏に向けた外出準備も消費の持ち直しを後押しする。雑貨店ハンズでは、気温が上昇し始めた4月から日傘の販売が前年比3倍に急増。「シンプルなデザインの晴雨兼用型が人気」(広報)という。雑貨店ロフトでは、携帯用の小型扇風機に加え、紫外線対策ができるメーク用品や日差しに映えるつやのあるリップが売れている。
一方、家電製品の売れ筋は節電型。家電量販店ではゴールデンウイークからエアコンが売れ始め、「省エネ性能が高い高価格モデルが人気」(ヨドバシカメラ秋葉原店の担当者)という。首回りを冷やすグッズも動きだしている。