財務省が16日発表した2月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は8977億円の赤字だった。赤字幅は比較可能な1979年以降、2月としては過去最大。資源価格の高騰や円安の進行で輸入額が膨らんだためで、赤字は19カ月連続となった。
輸入額、輸出額ともに、2月としての過去最高を更新した。2月の円相場は平均で1ドル=130円38銭と、1年前と比べ13.5%の円安だった。
輸入額は前年同月比8.3%増の8兆5524億円。品目別では、石炭が74.1%増、液化天然ガスが12.8%増、原油が10.6%増だった。
原油の輸入は、前年同月と比べ数量ベースで16カ月ぶりに減少したものの、金額ベースでは価格高騰と円安の影響を受け、23カ月連続で増加した。原油価格は円建てで14.6%上昇し、1キロリットル当たり7万1915円だった。
一方、輸出額は6.5%増の7兆6547億円だった。米国向けの自動車などが寄与したが、輸入額の伸びを下回った。
貿易収支を国別に見ると、対米国は5305億円の黒字で、黒字幅は32.7%拡大した。対中国は2098億円の赤字で、乗用車と自動車部品、半導体製造装置の輸出が落ち込んだ。
◇2月の貿易統計
輸出額 輸入額 差引額
総 額 76,547 85,524 ▲8,977
(6.5) (8.3) (―)
〔主要貿易相手別の内訳〕
中 国 13,165 15,263 ▲2,098
(▲10.9) (▲0.6) (―)
米 国 14,560 9,256 5,305
(14.9) (6.6) (32.7)
E U 7,603 8,800 ▲1,197
(18.6) (4.5) (―)
(注)通関ベース。単位億円、億円未満四捨五入。カッコ内は前年同月比増減率%。▲は赤字または減。―は比較できず