内閣府が8日発表した2月の景気ウオッチャー調査によると、街角の景況感を示す現状判断指数(季節調整値)は前月比3.5ポイント上昇の52.0と4カ月ぶりに改善した。新型コロナウイルス対策の行動制限が緩和される中、旅行やイベントの客足、売り上げが増加したことが背景にある。
調査期間は2月25~28日。基調判断は「緩やかに持ち直している」と、1月の「持ち直しの動きが見られる」から上方修正した。
指数の内訳を見ると、家計動向関連が4.3ポイント上昇と改善が目立つ。「イベントやコンサートが開催されるようになり、利用客が通常に戻りつつある」(東海のタクシー運転手)などの声が聞かれたほか、卒業式や入学式など春の行事に向けた売り上げが増えているとの報告も寄せられた。
2~3カ月先の見通しを示す先行き判断指数は1.5ポイント上昇の50.8。新型コロナの「5類」感染症への移行やマスク着用の緩和などで、消費者心理の回復に期待が広がっている。一方、「光熱費や食料品の値上がりが家計を圧迫しており、来客数の減少が続くとみている」(東北のスーパー)など物価上昇の影響を懸念する声も上がった。