【ロンドン時事】欧州連合(EU)統計局が31日発表した2022年のユーロ圏(19カ国)の実質GDP(域内総生産)速報値は前年比3.5%増加した。プラス成長は2年連続。ただ、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で物価が高騰し、経済活動にブレーキがかかったことで、前年(5.3%増)からは減速した。侵攻の長期化で、23年もさらなる減速が見込まれている。
22年10~12月期は、季節調整済みで前期比0.1%増。プラス成長は7四半期連続となったものの、7~9月期(0.3%増)からは減速した。年率10%前後の高インフレが続き、個人消費が低迷したほか、欧州中央銀行(ECB)による相次ぐ利上げが設備投資を押し下げた。
主要国では、スペインが0.2%増、フランスが0.1%増と堅調だった一方、ドイツが0.2%減、イタリアが0.1%減と、マイナスに転落した。
ECBは昨年12月、ユーロ圏は10~12月期と23年1~3月期に2四半期連続でマイナス成長になるとの予測を示していた。暖冬で天然ガス価格が下落し、インフレ圧力が弱まったことで、10~12月期は辛うじてプラスを維持した。