東京・渋谷のシンボルとも言われた東急百貨店本店(東京都渋谷区)が31日に閉店し、約55年の歴史に幕を下ろした。地域の再開発に伴うもので、2027年度に商業施設やホテルが入る高層ビルに生まれ変わる。
開業は1967年11月。90年には本格的なワインセラーを導入し、「ワインブームをけん引」(広報担当者)した。
31日夜の閉店時には、稲葉満宏本店長が出入り口で「皆さまをお迎えした55年間、すてきな出会いに恵まれた」とあいさつ。深く頭を下げたままシャッターが下ろされた。
雑貨売り場を訪れた渋谷区の女性(50)は「初めて来たのは赤ちゃんのころ。お疲れさまでしたという気持ち」と述べた。世田谷区の50代女性は「寂しいが時代の流れ」と話した。
新ビルは地上36階建てで、商業施設や外資系ホテルが入居するほか、高層階は賃貸マンションとなる予定。再開発に伴い、隣接する文化施設「Bunkamura」も4月10日から休館する。