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百貨店「藤丸」閉店=122年の歴史に幕―北海道・帯広

閉店を惜しんで訪れた客に一礼する老舗百貨店「藤丸」の従業員ら
〔写真説明〕閉店を惜しんで訪れた客に一礼する老舗百貨店「藤丸」の従業員ら=31日夜、北海道帯広市(時事通信社)

 北海道帯広市の老舗百貨店「藤丸」が31日、業績不振で閉店し、122年の歴史に幕を閉じた。消費者ニーズの多様化やインターネット販売の普及で、客足が遠のき、長引く新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちを掛けた。

 藤丸は1900年創業。北海道東部にある唯一の百貨店で、最盛期の92年8月期の売上高は約145億円に上った。近年では50億円前後に落ち込み、8期連続で赤字だった。従業員約150人は2月5日付で全員解雇される。再就職先が決まっているのは3割程度という。

 最終営業日には多くの買い物客が詰め掛けた。帯広市の女性(48)は「おめでたいことがあると行く特別な場所だった。なくなって寂しい」と別れを惜しんだ。閉店セレモニーで藤本長章社長は、「藤丸の122年は帯広・十勝の歴史そのものでした。長い間のご愛顧に心から感謝します」とあいさつした。

 閉店後は、地元のベンチャー企業などが出資する新会社が土地や建物を引き継ぎ、再建を進める。食品などを販売する新たな商業施設の開設を目指すが、詳細は検討中。改修工事も必要で、営業開始は来年以降となる見通しだ。