財務省と内閣府が12日発表した10~12月期の法人企業景気予測調査によると、大企業全産業の景況判断指数はプラス0.7となった。プラスは2四半期連続。非製造業が新型コロナウイルス感染防止のための行動制限撤廃などを背景に改善する一方、製造業は原材料高などが響き2期ぶりに悪化した。
景況判断指数は、自社の景況が直前の3カ月間と比べて「上昇」と回答した企業の割合から「下降」と答えた割合を引いた値。調査は11月15日時点。
大企業非製造業の景況感はプラス2.7(前回調査はマイナス0.2)と、2期ぶりのプラス。行動制限の撤廃や「全国旅行支援」開始で客足が増えた宿泊・飲食などサービス業や運輸業の改善が目立った。製造業はマイナス3.6(同プラス1.7)。半導体不足の解消が進んだ自動車関連は堅調だったが、化学工業や情報通信機械では原材料高や中国など海外経済の減速が響いた。
一方、デジタル化対応などの設備投資が引き続き好調。2022年度の全産業の投資額は前年度比13.2%増と、調査開始以来10~12月期として最も高い伸びだった。財務省は「緩やかに持ち直しの動きが続いている景気の状況を反映した」と指摘した上で、物価上昇や供給制約の影響を注視する考えを示した。