【ワシントン時事】米労働省が2日発表した11月の雇用統計(季節調整済み)によると、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数は前月から26万3000人増加した。市場予想(20万人増)を上回り、米国の労働市場の堅調さが改めて示された。
伸びは10月の28万4000人増(改定値)から鈍化。失業率は3.7%で横ばいだった。新型コロナウイルス流行で打撃を受けた娯楽・接客業が8万8000人増と回復。医療部門も4万5000人増と好調を保った。平均時給は前年同月比5.1%上昇と、伸びが加速した。
米国ではコロナ禍で落ち込んだ需要の急回復に供給が追い付かず、約40年ぶりの高インフレとなった。モノの価格上昇は供給制約問題の改善などで減速が見受けられるが、医療や接客など労働集約型のサービス部門では賃金の上昇を背景とするコスト高に直面している。
米連邦準備制度理事会(FRB)は、「賃金の伸びは依然、目標とする2%のインフレ率と見合う水準を大きく上回っている」(パウエル議長)と警戒。13、14日に開く次回金融政策会合でも利上げを続けて景気を冷まし、労働需要の抑制を図る見通しだ。