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【米ウォルマート】インドのEC最大手フリップカートを買収、160億ドルで

 米ウォルマートは5月9日、インドのEC(インターネット通販)最大手フリップカートグループ(Flipkart Group)を買収することで合意したと発表した。約160億ドル(約1兆7000億円)でフリップカートの株式の77%を取得する。

 

 ウォルマートは2016年に米EC企業のジェット・ドットコムを買収するなどEC事業の強化を図っているが、今回は過去最大規模の買収となる。

 

 フリップカートは現CEO(最高経営責任者)のビニー・バンサル氏らが2007年に創業、ネットモール型のEC事業やモバイル決済事業などを手がける。2018年3月期の流通総額は75億ドル、売上高は46億ドル。物流子会社のeカートはインド国内800以上の都市に配送網を持つ。

 

 フリップカートについては、インド国内のEC市場でシェア2位のアマゾン・ドットコムも買収提案していたが、フリップカート側はウォルマートをパートナーに選んだ。

 

 ウォルマートは07年にインドに進出したが、外資規制が強いこともあり会員制卸「ベストプライス」21店舗を展開するにとどまっている。フリップカートを傘下に収めることで、インドではECを中心とした事業拡大を目指す。

 

 独占禁止法当局の承認を経て、年内にも買収を完了する予定。19年1月期下期に買収が完了した場合、投資負担などからウォルマートの今期の1株当たり純利益は0.25ドルから0.30ドル減少すsる見込みで、買収発表後のウォルマートの株価は下落した。

 

 ウォルマートは4月30日、英子会社アズダを英スーパーマーケット2位のJセインズベリーと経営統合すると発表。引き続き統合会社の株式の42%を保有するが、経営の主導権はJセインズベリーに移る。海外事業は今後、メキシコや中国、インドなど新興国が中心となる。