【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)統計局が31日発表した2022年7~9月期のユーロ圏(19カ国)の実質GDP(域内総生産)速報値は、季節調整済みで前期比0.2%増となった。6四半期連続のプラス成長だったが、4~6月期の0.8%増からは鈍化した。
同時に発表された10月のユーロ圏消費者物価指数(速報値)は、前年同月比10.7%上昇した。伸び率は9月の9.9%から加速し、過去最高を更新。エネルギーが41.9%上昇のほか、食料品も高騰が続いている。上昇率は、エネルギーを除いた場合でも6.9%だった。
主要国別のGDPは、ドイツが0.3%増(前期0.1%増)。一方、イタリアは前期の1.1%増から0.5%増に減速。フランスも前期(0.5%増)を下回り0.2%増にとどまった。
オランダ金融大手INGは、新型コロナウイルス禍からの経済活動再開による効果が「薄れている」と指摘。利上げや先行き不透明感から投資意欲も減退しているとし、「今後、数四半期にわたり景気縮小が続くだろう」との見方を示した。