総務省が28日発表した10月の東京都区部消費者物価指数(中旬速報値、2020年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が103.2と、前年同月比3.4%上昇した。消費税増税の影響を除くと、1982年6月(3.4%)以来、40年4カ月ぶりの高い伸び。食料品を中心に相次いだ値上げが響いた。
東京都区部の指数は11月18日公表の全国消費者物価指数の先行指標。食料価格のほか、電気・ガス代の高騰が全体を押し上げ、第2次オイルショックに伴う物価高騰の収束期と同水準にまで達した。総務省は「全体として高水準の物価高騰になっている」と警戒感を示した。
物価を押し上げた項目を見ると、生鮮食品を除く食料が5.9%上昇。原材料価格の高騰や急速な円安を受け、81年2月(6.5%)以来、41年8カ月ぶりの伸びとなった。ビールや外食のハンバーガー、輸入品の豚肉、食用油など多品目が値上がりした。
エネルギーも24.2%上昇で、電気代が26.9%、都市ガス代が29.3%値上がりした。携帯電話の通信料は、格安料金プラン導入に伴う物価押し下げ効果が落ち着き1.8%上昇。一方、今月始まった政府の観光需要喚起策「全国旅行支援」の効果で宿泊料は9.5%下落した。
生活実感に近い、生鮮食品を含む全体の総合指数は3.5%上昇。生鮮食品とエネルギーを除く総合指数も2.2%上昇した。