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【米アマゾン】ホールフーズを137億ドルで買収、自然食品スーパー最大手

 米アマゾン・ドット・コムは6月16日、米自然食品スーパーマーケット最大手のホールフーズ・マーケットを買収することで同社と最終合意したと発表した。ホールフーズの株式を1株当たり42ドル、総額137億ドル(約1兆5070億円、1ドル=110円)で買収する。ホールフーズの既存株主や独占禁止法当局による承認を経て、今年後半には買収を完了する予定だ。

 

 ホールフーズの売上高は約160億ドル、米国内のほかカナダと英国で合計460店舗以上を展開している。健康志向を背景に、積極的なM&A(合併買収)をからめながら業績を拡大してきた。ただ、近年はクローガーなどの大手スーパーも有機・自然食品の品揃えを強化しており、価格が高めのホールフーズは2017年1?3月期まで7四半期連続で既存店売上高が前年割れとなるなど苦戦が続いていた。

 

 また、アクティビストファンドのJANAパートナーズが同社の株式の約9%を取得、取締役会メンバーの入れ替えや会社売却による企業価値向上を求めるなど圧力を強めていた。

 

 ホールフーズ買収はアマゾンが行ったM&Aとしては過去最大規模。食品宅配サービスの「アマゾンフレッシュ」を大都市部で展開するなど、食品の販売を強化しているアマゾンは、今回の買収で食品売上高を大きく伸ばすことになる。

 

 アマゾンが持つIT関連の技術力やデータベースを活用することで、ホールフーズの企業価値を高めることができるのではないかと、買収を肯定的に捉える意見がある一方、クラウドサービスのAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)事業に比べて食品販売の利益率は圧倒的に低いことから、会社全体の利益率低下を懸念する声もある。

 

 アマゾンによる買収後も、ホールフーズの創業者、ジョン・マッキー氏がCEO(最高経営責任者)を続投し、店名も変更しない。