経済産業省がまとめた電子商取引(EC)に関する市場調査によると、2016年の国内の消費者向け(B to C)EC市場規模は前年比9.9%増の15兆1358億円と初めて15兆円を突破した。10年の市場規模は7兆7880億円だったことから、市場規模は6年間で約2倍に拡大したことになる。
分野別の内訳は、物販系が8兆43億円(前年比10.6%増)、旅行やチケット販売などのサービス系が5兆3532億円(9.2%増)、音楽・動画配信やオンラインゲームなどのデジタル系が1兆7782億円(8.9%増)だった。
物販のEC化率は5.43%で、前年に比べて0.68ポイント上昇し、初めて5%を超えた。ただ、米国の約7%、中国の15%超と比べるとまだEC化率は低く、そのぶん伸び代があるとも言える。
一方、中国からの越境ECの市場規模は1兆366億円で、前の年より30.3%増えた。観光庁の調べでは、16年に中国人旅行客が日本で消費した額は、宿泊費や交通費を含めて1兆4754億円(4.1%増)だった。越境ECの規模は近い将来、インバウンド消費を上回る可能性がある。