メニュー

【独メトロ】 ベトナムの19店舗を売却、撤退を完了

 ドイツ小売業最大手メトログループは1月7日、ベトナムで展開していた会員制卸売店舗「メトロ・キャッシュ&キャリー」19店舗の売却を完了したと発表した。売却先はタイの大手財閥TCCホールディングス傘下のTCCランド・インターナショナルで、売却金額は6億5500万ユーロ(約838億4000万円、1ユーロ=128円換算)。

 

 メトロは2014年夏にベトナム事業の売却を表明、売却先との交渉を進めていた。今回の売却により、16年度第1四半期で約4億ユーロの売却益を計上する。

 

 同社は02年にベトナムに進出、15年度は5億700万ドルの売り上げを上げていた。同社は中国やインド、日本、パキスタンでも会員制卸売事業を展開しており、15年度末で店舗数は137店舗(ベトナムを含む)となっている。ベトナム撤退後も82店舗を展開する中国を中心にアジアでの投資を継続するとしている。

 

 メトロは「ガレリア・カウフホフ」などの店名でドイツとベルギーで展開していた百貨店事業も15年9月に売却を完了した。売却先はカナダの大手百貨店ハドソンズベイで、売却額は28億2500万ユーロだった。

 

 今後は、主力の会員制卸売事業のほか家電専門店の「メディアサターン」、ハイパーマーケットの「レアル」の3事業に経営資源を集中する方針だ。

 

 なお、ベトナム市場についてはフランスの大手小売業カジノも15年12月に撤退を表明している。