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【食品PB】 取引の約16%に「優越的地位乱用」の恐れ

 公正取引委員会が6月20日に公表した「食品分野におけるプライベート・ブランド(PB)商品の取引に関する実態調査報告書」によると、PBの製造委託取引のうち全体の15.8%に独占禁止法上の優越的地位の乱用に該当する恐れがあることがわかった。

 

 PBの製造を受託していると思われるメーカー3000社に調査票を発送、3月20日までに940社から1835件の取引について回答を得た。そのうち一部のメーカーには聞き取り調査も実施した。

 

 1835件の取引のうち10.8%に当たる198件については、PB商品の取引条件の設定に関して、優越的地位の乱用になり得る行為があった。具体的には、原価構成や製造工程など価格交渉ではメーカーにとって不利となる情報の開示を取引条件として設定しているものが多かった。そのほか、ナショナル・ブランド(NB)商品と同水準の原材料の使用を求めながら、納入価格についてはNBより大幅に安く設定しているケースも目立った。

 

 また、取引条件の設定以外でも、「協賛金等の負担の要請」や「(商品・サービスの)購入・利用の要請」など優越的地位の乱用になり得る行為が162件あり、重複を除くと合計290件(15.8%)が独禁法違反となる恐れがある。

 

 公取委では今後、講習会を実施して調査結果や独禁法について説明すると共に、業界団体を通じて法律の周知徹底を図るとしている。